2017年読んだ本ベスト10

(1) M.フーコー『悪をなし真実を言う―ルーヴァン講義1981』(邦訳2015年刊行。原著2012年刊行) (2) R.P.ドーア『江戸時代の教育』(邦訳1970年。原著1965年) (3) E.ボーゲル『日本の新中間階級―サラリーマンとその家族』(邦訳1968年。原著1963年) (4) J.…

ダニエル・H・フット「日米比較刑事司法の講義を振り返って」

ダニエル・H・フット「日米比較刑事司法の講義を振り返って」『ジュリスト』1999年1月1・15日合併号1148号https://ndlopac.ndl.go.jp/F/?func=direct&local_base=GU_KS&doc_number=011814879 著者は米ワシントン大学法学部教授(当時)で、日本法や刑事司法な…

魚住昭『証言 村上正邦 我、国に裏切られようとも』

魚住昭『証言 村上正邦 我、国に裏切られようとも』(講談社、2007年10月発行、252p ; 20cm) http://amzn.to/2ijva7v 雑誌『世界』(岩波書店発行。2006年11月号〜2007年3月号、9・10月号)掲載の「聞き書 村上正邦 日本政治右派の底流」に加筆・修正したもの。…

ゲオルク・ジンメル『レンブラント』

ゲオルク・ジンメル『ジンメル著作集8 レンブラント』(浅井真男訳。白水社、1977年2月発行) http://amzn.to/2inNZSn 原著はGeorg Simmel, Rembrandt: Ein kunstphilosophischer Versuch, 1916 オランダの画家レンブラントによる「夜警」「キリストの復活」…

ロバート・D・パットナム 『孤独なボウリング』

(1) ロバート・D・パットナム 『孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生』(柴内康文訳。柏書房、2006年4月発行、689p ; 22cm) http://amzn.to/1PmrHMO 原著はRobert David Putnam, Bowling Alone: The Collapse and Revival of American Community, …

ロバート・J・スミス『来栖―むらの近代化と代償』

(2)ロバート・J・スミス『来栖―むらの近代化と代償』(河村能夫、久力文夫訳、ミネルヴァ書房、1982年2月) http://amzn.to/2g4Qny7 原著は、Robert John Smith, Kurusu: The Price of Progress in a Japanese Village, 1951-1975, 1978 アメリカの人類学者ロ…

2016年読んだ本ベスト10

(1) R.D.パットナム 『孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生』(邦訳2006年。原著2000年) http://amzn.to/1PmrHMO (2) R.J.スミス『来栖―むらの近代化と代償』(邦訳1982年。原著1978年) http://amzn.to/2g4Qny7 (3) R.クラーク『ザ・ジャパニーズ・…

ジンメル『生の哲学』における「生の超越」

ジンメル『生の哲学』、1977年 Amazon Georg Simmel, Lebensanschauung, 1918, 2.Aufl, 1922 full text ジンメルの最晩年の著作。邦訳の訳者あとがきによると、「肝臓癌により1918年9月26日午前9時に60歳で逝去したジンメルが、9月13日に最後の…

阿部謹也「死者の社会史――中世ヨーロッパにおける死生観の転換」 in: 『社会史研究』、1984年4月号、日本エディタースクール出版、1984年、pp.1-60 読了。 1 死生観の変化 2 初期中世における死者と生者 3 キリスト教の浸透と死者 4 遺言書の成立 5 現世観の…

阿部謹也『西洋中世の罪と罰:亡霊の社会史』、弘文堂、1989年 読了。おもしろかった&勉強になった。この方の本は昔いくつか読んだが、どうもぴんとこなくて数冊でやめてしまった記憶がある(世間論とか)。それもあって敬遠していたが、思いがけずたのしめ…

山折哲雄『死の民俗学:日本人の死生観と葬送儀礼』、岩波現代文庫G82、岩波書店、2002年(原著1990年, 岩波書店) 読了。とりわけ1章と4章を丁寧に読んだ。 はじめに 1 死と民俗:遺骨崇拝の源流 2 神話に現れた世界像 3 大嘗祭と王位継承 4 浄穢の中の王権…

波平恵美子『病と死の文化:現代医療の人類学』、朝日選書414、朝日新聞社、1990年 読了。第一章以外は、1986-1990年にかけて発表された文章を加筆・修正したもの。「日本人の死生観」「癌告知」「脳死と臓器移植」「エイズのイメージ」などさまざまなテーマ…

波平恵美子『日本人の死のかたち:伝統儀礼から靖国まで』、朝日選書755、朝日新聞社、2004年 読了。勉強になった&おもしろかった。とりわけ、著者が1964年からつづけた村落調査でのエピソードを集めた第三部「さまざまな死のかたち」には考えさせられた。…

小杉礼子編『大学生の就職とキャリア』、勁草書房、2007年 読了。勉強になった。多くの調査結果はそんなものだろうなあというか予想に反しないものだったが、いくつか意外な指摘もあり考えさせられた。たとえば、大学生に「仕事に就いたらうまくできる自信が…

西阪仰『相互行為分析という視点』、金子書房、1997年 ――「エスノメソドロジーという技法」in: 栗田宣義編『メソッド/社会学』、川島書店、pp.61-77 ――「差別の語法」『講座 差別の社会学1』、弘文堂、pp.61-76 読了。「エスノメソドロジーという技法」は読…

近藤英俊・浮ヶ谷幸代編著『現代医療の民族誌』、明石書店、2004年 読了。おもしろかった&勉強になった。 とりわけ、川添裕子「『普通』を望む人たち:日韓比較からみる日本の美容外科医療」には刺激をうけた。「普通」の強調が、日本における白人美のグロ…

萱野稔人『権力の読み方:状況と理論』、青土社、2007年 読了。「序論」では、ヴェーバー的権力観とアレント的権力観、そしてとりわけ「国家権力」を参照しながら権力について論じ、フーコーの権力論を紹介する。「状況1」「状況2」では、現代のテロリズムや…

湯浅泰雄『和辻哲郎:近代日本哲学の運命』、ちくま学芸文庫、1995年(原著、ミネルヴァ書房、1981年) 読了。おもしろかった&勉強になった。 いくつもうなずける箇所はあったが、とりわけ「一〇 和辻倫理学」で和辻の西洋哲学の摂取の巧さを指摘したり(p.…

和辻哲郎『孔子』、岩波文庫、岩波書店、1988年(原著1938年) 読了。

和辻哲郎『倫理学』(一)、岩波文庫、岩波書店、2007年 読了。

和辻哲郎『風土:人間学的考察』、岩波文庫、岩波書店、1979年(原著1935年, 新版1943年.底本は『全集』第八巻,1962年) 読了。むかし途中で読むのをやめてしまったもの。はじめて通読して、その無理の多い議論に、やはり(?)すこし辟易したが、同時に、西…

小田光雄『出版業界の危機と社会構造』、論創社、2007年 読了。

和辻哲郎『人間の学としての倫理学』、岩波文庫、岩波書店、2007年 読了。ジンメルを追っていて、論じている事柄が重なるので、念のため(?)手にとった。 意外におもしろかった。と同時に、和辻の西洋哲学に対する理解(の的確さ)と、その主張や批判のあや…

W.J.モムゼン& J.オースターハメル& W.シュベントカー編『マックス・ヴェーバーとその同時代人群像』, ミネルヴァ書房, 1994年 W. J. Mommsen und W. Schwentker(Hrsg.), Max Weber und seine Zeitgenossen , Vandenhoeck & Ruprecht, Göttingen/Zürich, …

須藤訓任[責任編集]『反哲学と世紀末:マルクス・ニーチェ・フロイト(哲学の歴史09)』、中央公論新社、2007年 http://www.chuko.co.jp/zenshu/tetsugaku/9.html 目次: 総論(須藤訓任) フォイエルバッハ(服部健二) マルクス/エンゲルス(的場昭弘) …

藤井佐和子『本はどこへ行くのか:本・インターネット・図書館』、さんが出版、2004年 読了。良書。おもしろかった&勉強になった。

小田光雄『出版社と書店はいかにして消えていくか』、ぱる出版、1999年 読了。さいきん(というか2008年3月)論創社から新版が出たらしい。

ジンメル『戦争の哲学』、阿閉吉男訳、鮎書房、1933年 Georg Simmel, Der Krieg und die geistigen Entscheidungen. Reden und Aufsätze, Duncker & Humblot, München/Leipzig 1917. 目次: 著者序 ドイツの内的変化(Deutschlands innere Wandlung. Rede, g…

ジンメル『文化論』、阿閉吉男編訳、文化書房博文社、1987年 目次: 「文化の本質について」(1908) 「文化の概念と悲劇」(1911) 「文化諸形式の変遷」(1916) 『近代文化の葛藤――講演』(1918) 「女性文化」(1911) 「われわれの文化の将来―ーアンケ…

O・ヴァイニンガー『性と性格』、竹内章訳、村松書館、1980年 Otto Weininger, Geschlecht und Charakter: Eine prinzipielle Untersuchung, Vienna, Leipzig 1903.(邦訳の底本は1922年の23版。) 読了。邦訳は、註の大部分を省略し、「訳文は必ずしも原文…