2017年読んだ本ベスト10
- (1) M.フーコー『悪をなし真実を言う―ルーヴァン講義1981』(邦訳2015年刊行。原著2012年刊行)
- (2) R.P.ドーア『江戸時代の教育』(邦訳1970年。原著1965年)
- (3) E.ボーゲル『日本の新中間階級―サラリーマンとその家族』(邦訳1968年。原著1963年)
- (4) J.ハリデイ&B.カミングス『朝鮮戦争』(邦訳1990年。原著1988年)
- (5) J.ウォルドロン『ヘイトスピーチという危害』(邦訳2015年。原著2012年)
- (6) E.ホブズボーム『20世紀の歴史―極端な時代』上・下(邦訳1996年。原著1994年)
- (7) E.ホブズボーム『わが20世紀・面白い時代』(邦訳2004年。原著2002年)
- (8) 富永健一『近代化の理論』(文庫版1996年。原著1987年)
- (9) Th.W.アドルノ『自律への教育』(邦訳2011年。原著1971年)
- (10) R.S.フォア&Y.モンク「民主主義の脱定着に向けた危険」(『世界』2017年2月号所収。原著2016年)
- 2017年に読んだ本や論文の中から、独自性、設計力(構成)、社会的意義などで判断して、10作品を選んだ。
- 画期的な見解や豊富な情報を提供し、論証や叙述の形式が整っており、社会的意義があると思われる作品を上位としている(『悪をなし真実を言う』、『江戸時代の教育』、『日本の新中間階級』、『朝鮮戦争』)。文句なしに名著といえる作品である。
- 次に、相対的に評価はやや下がるものの、画期性・設計性・社会性の点から見て、総合的に高い評価を受けるべき作品を取り上げた。上位作品との差は大きいものではなく、若干難解な文体を採用している作品(『ヘイトスピーチという危害』)、類書があるなど画期性でやや見劣りする作品(『20世紀の歴史―極端な時代』『近代化の理論』)などを選んでいる。いずれも良質で読む価値のある作品である。