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- ユスティノス『ユダヤ人トリュフォンとの対話』(160年頃)、三小田敏雄訳 in 『キリスト教教父著作集1 ユスティノス』、教文館、1992年
- 幸福とは!:
〔第三章4〕
「哲学はそれでは幸福をもたらすのでしょうか」。
「全くその通り! しかも哲学だけが」と私は言った。彼は言った、
「では哲学とは何ですか? また哲学のもたらす幸福とは何ですか? もし話して差し支えないのでしたら、話して下さい!」
「哲学とは存在者の知識〔エピステーメー トゥ オントス〕であり、真実なるものの認識〔トゥ アレートゥス エピグノーシス〕です。幸福はしかしかかる知識と知恵の報酬です」と私は言った。
5「あなたは何を存在者と呼ぶのですか」と彼はたずねた。
「常に同じ様に同一であり、他のすべてのものの原因であるのです。この存在者は実は神なのです」。私は彼にこう答えた。(p.204)