2008-01-01から1年間の記事一覧

阿部謹也「死者の社会史――中世ヨーロッパにおける死生観の転換」 in: 『社会史研究』、1984年4月号、日本エディタースクール出版、1984年、pp.1-60 読了。 1 死生観の変化 2 初期中世における死者と生者 3 キリスト教の浸透と死者 4 遺言書の成立 5 現世観の…

阿部謹也『西洋中世の罪と罰:亡霊の社会史』、弘文堂、1989年 読了。おもしろかった&勉強になった。この方の本は昔いくつか読んだが、どうもぴんとこなくて数冊でやめてしまった記憶がある(世間論とか)。それもあって敬遠していたが、思いがけずたのしめ…

山折哲雄『死の民俗学:日本人の死生観と葬送儀礼』、岩波現代文庫G82、岩波書店、2002年(原著1990年, 岩波書店) 読了。とりわけ1章と4章を丁寧に読んだ。 はじめに 1 死と民俗:遺骨崇拝の源流 2 神話に現れた世界像 3 大嘗祭と王位継承 4 浄穢の中の王権…

波平恵美子『病と死の文化:現代医療の人類学』、朝日選書414、朝日新聞社、1990年 読了。第一章以外は、1986-1990年にかけて発表された文章を加筆・修正したもの。「日本人の死生観」「癌告知」「脳死と臓器移植」「エイズのイメージ」などさまざまなテーマ…

波平恵美子『日本人の死のかたち:伝統儀礼から靖国まで』、朝日選書755、朝日新聞社、2004年 読了。勉強になった&おもしろかった。とりわけ、著者が1964年からつづけた村落調査でのエピソードを集めた第三部「さまざまな死のかたち」には考えさせられた。…

小杉礼子編『大学生の就職とキャリア』、勁草書房、2007年 読了。勉強になった。多くの調査結果はそんなものだろうなあというか予想に反しないものだったが、いくつか意外な指摘もあり考えさせられた。たとえば、大学生に「仕事に就いたらうまくできる自信が…

西阪仰『相互行為分析という視点』、金子書房、1997年 ――「エスノメソドロジーという技法」in: 栗田宣義編『メソッド/社会学』、川島書店、pp.61-77 ――「差別の語法」『講座 差別の社会学1』、弘文堂、pp.61-76 読了。「エスノメソドロジーという技法」は読…

近藤英俊・浮ヶ谷幸代編著『現代医療の民族誌』、明石書店、2004年 読了。おもしろかった&勉強になった。 とりわけ、川添裕子「『普通』を望む人たち:日韓比較からみる日本の美容外科医療」には刺激をうけた。「普通」の強調が、日本における白人美のグロ…

萱野稔人『権力の読み方:状況と理論』、青土社、2007年 読了。「序論」では、ヴェーバー的権力観とアレント的権力観、そしてとりわけ「国家権力」を参照しながら権力について論じ、フーコーの権力論を紹介する。「状況1」「状況2」では、現代のテロリズムや…

湯浅泰雄『和辻哲郎:近代日本哲学の運命』、ちくま学芸文庫、1995年(原著、ミネルヴァ書房、1981年) 読了。おもしろかった&勉強になった。 いくつもうなずける箇所はあったが、とりわけ「一〇 和辻倫理学」で和辻の西洋哲学の摂取の巧さを指摘したり(p.…

和辻哲郎『孔子』、岩波文庫、岩波書店、1988年(原著1938年) 読了。

和辻哲郎『倫理学』(一)、岩波文庫、岩波書店、2007年 読了。

和辻哲郎『風土:人間学的考察』、岩波文庫、岩波書店、1979年(原著1935年, 新版1943年.底本は『全集』第八巻,1962年) 読了。むかし途中で読むのをやめてしまったもの。はじめて通読して、その無理の多い議論に、やはり(?)すこし辟易したが、同時に、西…

小田光雄『出版業界の危機と社会構造』、論創社、2007年 読了。

和辻哲郎『人間の学としての倫理学』、岩波文庫、岩波書店、2007年 読了。ジンメルを追っていて、論じている事柄が重なるので、念のため(?)手にとった。 意外におもしろかった。と同時に、和辻の西洋哲学に対する理解(の的確さ)と、その主張や批判のあや…

W.J.モムゼン& J.オースターハメル& W.シュベントカー編『マックス・ヴェーバーとその同時代人群像』, ミネルヴァ書房, 1994年 W. J. Mommsen und W. Schwentker(Hrsg.), Max Weber und seine Zeitgenossen , Vandenhoeck & Ruprecht, Göttingen/Zürich, …

須藤訓任[責任編集]『反哲学と世紀末:マルクス・ニーチェ・フロイト(哲学の歴史09)』、中央公論新社、2007年 http://www.chuko.co.jp/zenshu/tetsugaku/9.html 目次: 総論(須藤訓任) フォイエルバッハ(服部健二) マルクス/エンゲルス(的場昭弘) …

藤井佐和子『本はどこへ行くのか:本・インターネット・図書館』、さんが出版、2004年 読了。良書。おもしろかった&勉強になった。

小田光雄『出版社と書店はいかにして消えていくか』、ぱる出版、1999年 読了。さいきん(というか2008年3月)論創社から新版が出たらしい。

ジンメル『戦争の哲学』、阿閉吉男訳、鮎書房、1933年 Georg Simmel, Der Krieg und die geistigen Entscheidungen. Reden und Aufsätze, Duncker & Humblot, München/Leipzig 1917. 目次: 著者序 ドイツの内的変化(Deutschlands innere Wandlung. Rede, g…

ジンメル『文化論』、阿閉吉男編訳、文化書房博文社、1987年 目次: 「文化の本質について」(1908) 「文化の概念と悲劇」(1911) 「文化諸形式の変遷」(1916) 『近代文化の葛藤――講演』(1918) 「女性文化」(1911) 「われわれの文化の将来―ーアンケ…

O・ヴァイニンガー『性と性格』、竹内章訳、村松書館、1980年 Otto Weininger, Geschlecht und Charakter: Eine prinzipielle Untersuchung, Vienna, Leipzig 1903.(邦訳の底本は1922年の23版。) 読了。邦訳は、註の大部分を省略し、「訳文は必ずしも原文…

石母田正『続 歴史と民族の発見:人間・抵抗・学風』、東京大学出版会、1953年 読了。前著『歴史と民族の発見』につづく論集。 内容についてとくにコメントはないが、「国民的歴史学運動」については、あらためて小熊英二『民主と愛国』第二部第八章を読みか…

「文化と社会」編集委員会編『文化と社会』第5号、マルジュ社、2004年 目次:http://www.waseda.jp/Schutz/culture5-1.html 読了。廳論文がおもしろかった&勉強になった。ほかの論文の内容についてはとくにいうこともないが、参照されていたジンメルの「ベ…

金益見『ラブホテル進化論』、文春新書620、文藝春秋社、2008年 著者氏サイト:http://makikome.com/index.html 井上章一「ラブホテル業界のウラ話と利用客の生態学」(私はこう読んだ)http://www.bunshun.co.jp/yonda/love/love.htm 読了。おもしろかった…

石井進『中世史を考える:社会論・史料論・都市論』、校倉書房、1991年 論文集。以下(第二部)のみ読了。目次: 一 史料論の視点(原題「史料論」まえがき)(1976) 二 古文書学と歴史学とのあいだ(1973) 三 荘園寄進文書の史料批判をめぐって(原題「『…

石井進『鎌倉びとの声を聞く』、日本放送出版協会、2000年 読了。 目次: 巻頭口絵 第一章 蒙古襲来絵詞をほどいて地方武士の声を聞く 第二章 霜月騒動で殺された安達泰盛とは何者か 第三章 北条時頼の廻国伝説の意味すること 第四章 「北からの蒙古襲来」と…

石井進『中世史を考える:社会論・史料論・都市論』、校倉書房、1991年 論文集。1970-90年のあいだに発表された論文・書評・エッセイ約20編を集めたもの。1.中世社会論の地平、2.中世史料論の現在、3.中世都市を語る、の三部に分かれている。 以下(第一部)…

佐藤進一・網野善彦・笠松宏至『日本中世史を見直す』、平凡社ライブラリー、平凡社、1999年(原著1994年) 1992年におこなった三人の鼎談の記録「日本中世史を見直す:鎌倉期から南北朝期へ」、笠松氏・網野氏が執筆した概説「後醍醐と尊氏:建武の新政から…

五味文彦「京・鎌倉の王権」 in : 五味文彦編『京・鎌倉の王権』(日本の時代史8)、吉川弘文館、2003年, pp.7-113 読了。治承・寿永の内乱から、宗尊親王が皇族将軍として鎌倉に迎えられる(1252年)までの70年ほどを、京・鎌倉の二つの王権という視点から…