2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

奥地圭子『登校拒否は病気じゃない:私の体験的登校拒否論』、教育史料出版会、1989年 1989年2月出版。おもしろかった。「子ども」の「心」や「身体」が着目されつつ、「学校」や「管理」、「親」や「家庭」のことが語られる。他方、ときおり「私」が強調さ…

稲村博『登校拒否の克服:続・思春期挫折症候群』、新曜社、1988年 つづけてもう一冊。ちなみにこの本が出たのは1988年7月。物議を醸した(らしい)朝日新聞の記事は同年9月16日: この新聞記事でいろいろ大変なことがおこった。 今まで見守っていた母親に、…

稲村博『思春期挫折症候群:現代の国民病』、新曜社、1983年 ようやく読む。昨今の「ひきこもり」についての議論と比べると、やはり、親の語られ方が気にかかる。事例報告ではどの親もあまり語られない*1一方で、発症の「契機」(「挫折」)の分析では、家の…

芹沢俊介・高岡健・藤澤敏雄・高木俊介[司会]「「ひきこもり」から見えてくる医療と社会」 in:高木俊介編『メンタルヘルスライブラリー7 ひきこもり』、批評社、2002年 コメントに困る。というか、芹沢が語る映画の話がいくらかすがすがしい印象を与えてく…

佐藤俊樹『桜が創った「日本」:ソメイヨシノ 起源への旅』、岩波新書、2005年 出版社(目次あり):http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0502/sin_k220.html おもしろかった。

ド・ラ・メトリ『人間機械論』杉捷夫訳、岩波文庫、1932年(改版1957年) de La Mettrie,L'Homme-Machine,1747(こちらで少し読める*1) 英訳:http://www.cscs.umich.edu/~crshalizi/LaMettrie/ 経験、観察、自然の強調。それらによって動物と人間の連続性…

貴戸理恵&常野雄次郎『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』(よりみちパン!セ07)、理論社、2005年 常野氏ブログ:http://d.hatena.ne.jp/toled/ いただきもの。笑える。ただし、「選択の論理」や「ハッピーエンドの物語」に対する著者たちの反発には残…

市野川容孝「医療という装置:W・グリージンガーの精神医学」 in:栗原彬ほか編『越境する知4 装置:壊し築く』、東京大学出版会、2000年、pp.129-164 グリージンガーは、「精神疾患は脳の疾患である」ということによって、(1)身体への着目と(2)心身のあ…

著者(のひとり)との対談: Ichiro Kawachi・近藤克則〔対談〕「社会疫学(Social Epidemiology)とは何か?」『週刊医学新聞』、第2566号、2004年1月5日 http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2566dir/n2566_05.htm 従来の「社会医学」との相違 …

イチロー・カワチ&ブルース・P・ケネディ『不平等が健康を損なう』、社会疫学研究会訳、日本評論社、2004年 Ichiro Kawachi and Bruce P.Kennedy,The Health of Nations:Why Inequality Is Harmful to Your Health,The New Press,2002. 軽い本。風邪を…

I・ガルドストン『社会医学の意味』、中川米造訳、法政大学出版局(りぶらりあ選書)、1973年 Iago Galdston,The Meaning of Social Medicine,Cambridge,Massachusetts,Harvard University Press,1954. 訳者業績:http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/cs/cu/Y…

市野川容孝「「社会科学」としての医学:一八四八年のR・ヴィルヒョウによせて」(上) in:『思想』、2001年6月号、岩波書店、pp.196-224 同(下) in:『思想』、2002年7月号、岩波書店、pp.116-142 目次: 一 「社会科学」とは何か 1 一八四八年のヴィル…

リオタール[1979=1986] 六章&七章。知は能力(competence)の問題にかかわっている、知には「物語的」なものと「科学的」なものがある、それぞれのちがいを――「語用論」や「言語ゲーム」といった「方法」でもって――見てみましょう、というおはなし。前者が…