[p.96]

  • チャールズ・S・パースの「大学」:

 一八八九年、チャールズ・S・パース Peirce, C.S. は、『センチュリー・ディクショナリー』のなかの「大学」の項目を執筆した。彼はそのなかで「大学は授業とは関係がない」と定義した。つまり大学とはもともと、研究をする者の集まりであって、授業をしたり、それを受けたりすることは大学にとっては副次的なことにすぎないと、パースは主張しようとした。そこには、かつてのカレッジとは全く異なった考え方が登場し始めていた。学部生は学部生なりに研究をし、大学院生はさらに専門的な研究を行い、教師は教師でつねにオリジナルな研究をするのが役割である。これは明らかにかつてのアメリカのカレッジがもっていた自己イメージとは異なっていた。[p.235]