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- 島田雄次郎『ヨーロッパの大学』、玉川大学出版部、1990年(底本1964年)
- 読み終わった。
- 専門分化:精神科学と自然科学
学部制の変化と専門単科大学
員外教授、また私講師の学部・大学行政への参加の希望は、単に学部内の数量的増大の結果ではなく、それは同時に学部制そのものの変化を予想させるものであった。ふえたのは正教授以外のものだけではなく、正教授そのものもふえた。そして専門分化の進行は同一学部内におのずから幾多の小グループを分立させる。この数量的増大と小グループへの分裂は、技術的にも学部の運営にさまざまな新しい問題をひきおこすこととなった。そしてそれは哲学部においてもっとも深刻であった。哲学部の二大分野、精神科学と自然科学ははっきりと分かれてきたからである。哲学部はいくつかの大学で二つの学部に分裂しはじめた。シュトラスブルク(一八七一年以後ふたたびドイツのものとなった)やフライブルクなどでは哲学部の旧名を保持する精神科学部門と、自然科学系の「数学・自然科学部」のニ学部になった。また哲学部の一部と法学部が結合したり、経済学部門が学部として独立したりする。‥‥(p.218