• 歴史科学(言語史含む)と法則科学:「発達」を扱う/扱わない。

[p.38]

  • 両者の対立を緩和する原理学――実験的法則科学、心理学。

[p.39]

  • 歴史科学はさらに二つに分けることができる。史的自然科学と文化科学。

[p.44]

  • 文化科学とはなにか:

 我々は心理的要因の活動を、文化の特質を示す標識と呼ばなければならない。
 ‥‥
 心理的要素はあらゆる文化活動の中心となる最も本質的な要因であり、したがって、心理学は更に高い意義に解されたあらゆる文化科学の最も主要な根底である。しかし、それだからといって、心理的なものは唯一の要因ではない。また純心理的基礎のみでは、いかなる文化も成立しないのであるから、文化科学を精神科学と呼ぶことはきわめて不正確である。事実、純粋の精神科学はただ一つしかない。しかも、それは法則科学としての心理学である。[pp.44-5]

 ‥‥文化科学は常に社会科学である。社会によって、はじめて文化は成立し、また人類は社会によって、はじめて史的存在になる。‥‥一個人が獲得したものを他に伝達し、多数の個人が同一の目的に協力して、はじめて、この狭い限界を越える発達が可能になる。分業と協働の原則は単に経済のみならず、あらゆる種類の文化にもその基礎となっている。[p.46]