• 前沢伸行『ポリス社会に生きる』、山川出版社(世界史リブレット2)、1998年
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  • 銀行の誕生:

‥‥前七世紀後半、小アジアのリューディア王国で貴金属貨幣(金と銀の合金)がはじめて使用され、同世紀の末にはこれが隣接するイオーニアのギリシャ都市に広がり、さらに前六世紀の前半になるとエーゲ海域やギリシャ本土の諸都市でも貴金属貨幣(おもに銀貨)の製造と使用が開始された。それぞれのポリスは独自の通貨を発行したため、ここに両替業[トラペザ]が出現する。両替商は貨幣・貴金属製品・文書などの保管や商業取引の仲介(証人や保証人として)などもおこなうようになり、やがて委託された預金を用いて第三者にたいする利子つきの貸付が始められ、こうして両替業は銀行[トラペザ]となるのである。‥‥(pp.7-8)