• サロモン・マルカ『レヴィナスを読む』、ポリロゴス叢書、内田樹訳、国文社、1996年
    • Salomon Malka, Lire Lévinas, Les Éditions du Cerf, Paris, 1989.
  • 読了。読みやすかった。「エマニュエル・レヴィナスとの対話」(初出1981年)付き。そこでレヴィナスが――自身を「成人向きの師である」とする評価に留保を示しつつ――以下のように述べていたのが印象的だった。

 もっと一般的な言い方で申し上げましょう。哲学は、私の友人のデリダが言うのとは反対に、就学以前の子供や初等教育期の子供たちのための学科ではないと思います。ゲマラーにはこういう言葉があります。「ハグン」でない、あるいは礼儀をわきまえていない生徒には教えてはならないと。これは道徳の問題であるだけではなく、成熟の度合いの問題でもあるのです。シュシャーニはおそらくマイモニデスから借りてよくこう言ったものです。「生まれたばかりの子供にビフテキを与えてはならない」と。(p.163)