• リットン・ストレイチー『ナイティンゲール伝 他一篇』、橋口稔訳、岩波文庫、1993年 [bk1]
    • Lytton Strachey, "Florence Nightingale" and "Dr. Arnold". in : Eminent Victorians, 1918.
  • 読了。『著名なヴィクトリア朝人(Eminent Victorians)』からの抄訳。"Eminent" には「ひとくせある」という意味もあるらしい(p.193)。ナイチンゲールが(パストゥール等の)細菌説を認めなかった、というエピソードも載っていた(p.98)*1
  • オクスフォード運動:

詩人のアーサー・クラフ(47)も縁戚のひとであったが、ちがう形でナイティンゲールに使われた。オクスフォード運動(48)の時代に信仰心を失ってからというもの、クラフは精神的にかなり不安定な状態で日々を送ってきていた。(p.67)

注(48)―オクスフォード運動。1833年から始められたイングランド国教会に対する改革運動。宗教におけるリベラリズムに反対し、宗教問題における国家の至上権を否定しようとするものであった。ニューマン、ピュージー、キーブルが指導者であった。(p.176)

*1:ナイチンゲールによる細菌説の拒絶については、それを「神話」として斥ける以下などを参照のこと。ストレイチの間違いも指摘されている。:ヒュー・スモール『ナイチンゲール:神話と真実』、p.212以下