2007-07-15 ■ memo 林真理『操作される生命:科学的言説の政治学』、NTT出版、2002年 正誤表など:http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft12153/nttpub/ 序章、第一章、第四章のみ読了。膨大な資料を駆使しているわりには結論がぱっとせず、違和感を覚える議論が少なくない(ex.事実と価値の区別[pp.52-60,64]、さらに両者を含みながら結論部で発展させられる自然/文化の区別[pp.287-93]など)不思議な書物。(少なくとも日本の)生命倫理学界隈にはこういう印象を与えるものがままあるが、これはどういうことなのだろうかと考えさせられた。個別に参考になる指摘やエピソードはあるのだが。 問題の構造とは何か 第一章 読み替えられる問題:脳死移植技術 1. 脳死移植はなぜ「問題」となったか 2. 科学的「事実」による「客観的」解決 3. 「社会的合意」問題の解決 4. 自己決定概念の拡張と尊重 第二章 変わりゆく解釈:補助生殖技術 第三章 禁止は歯止めになるのか:ヒトクローン技術 第四章 生命科学・技術はどこへ行くのか:科学論の立場から 1. 意思決定はいかに下されるのか 2. 倫理学的言説はいかに機能するか 3. 価値観の創造とテクノロジーの創造 むすびにかえて 引用・参照文献 索引