• 堀有喜衣編著『フリーターに滞留する若者たち』、勁草書房、2007年
  • 読了。勉強になった。とりわけ、(1)「学歴によって就業形態が規定される傾向が強まった」という指摘や(2)「努力をすれば将来を切り開ける」という回答を選ぶ若者が(依然として)多いという指摘に考えさせられた。
  • どちらも別に悪いことだというつもりはない。ただ、格差や不平等を論じたいのであれば、(1)を抜きにしては語れないだろう。にもかかわらず、昨今、(格差や不平等を論じる際に)しばしば不問にされる傾向があるように思えるので、気になった。また、とりわけ、難民世代や貧困について、悲観的な見通しが語られることが多いので、(2)は考えさせられた。二つの可能性が考えられる。ひとつは、「絶望」的な現状認識を持っているひとたちがごくごく少数にとどまっている可能性であり、もうひとつは、「絶望」的な現状認識と「努力」による希望が両立するという可能性である。本書を読んで、おそらく、後者なのではないかと(間違いかもしれないが)思った。
  • (追記)(2)については、以下も参考になった。http://d.hatena.ne.jp/deneb/20071208 設問項目自体はイコールではないけれども。