• 石母田正『歴史と民族の発見:歴史学の課題と方法』、平凡社ライブラリー平凡社、2003年(原著1952年)
  • 読了。主に、歴史学のあり方や方法について論じた論文・短文を集めたもの。「国民的歴史学運動」に大きな影響を与えたらしい。
  • ふつうにマルクス主義。といってしまっては語弊があるのかもしれないが、通読してもとくに驚くような発見はなかった。気になった、というか若干しらべてみようかなと思ったのは、文中でしばしば用いられている「頽廃性」「頽廃的」ということばである。『中世的世界の形成』でも何度かつかわれていたので気になっていたのだが、どうやら、務台理作ヘーゲルの歴史哲学に於ける頽廃性と思想との関係」(『ヘーゲル研究』所収)を参照しているらしい(p.235)(「歴史学の方法についての感想」)。