小玉香津子[1999]『ナイチンゲール(人と思想155)』、清水書院

「病院の第一の必要条件は、病人に害を与えないことである」(ナイチンゲール『病院覚え書き』)(p.215)

 おびただしい数の設計図面と統計数字が並んでいたが、『病院覚え書き』も広く読まれた。当時の病院の高い死亡率は、死ぬ必要のない患者の死亡に由来することを彼女は証明した。
 健康的な土地に、上下水道の完備した換気のよい建物を建て、一人当たりの病室空間を十分にとり、清掃を行き渡らせる・・・・・・、それでこそ『看護覚え書き』に記した看護が効果を上げ、決して病気が原因ではない患者の苦しみが減少するばかりか、死亡率も低下する‥‥(pp.215-6)