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クリステラー[1964]『イタリア・ルネサンスの哲学者』佐藤三夫監訳、みすず書房、1993年
私はできるだけ客観的にルネサンス・ヒューマニズムを叙述したので、今や、その中世的先例が何であったか、という問に答えることを試みよう。一部は、その答えは私がすでに言ったことの中に暗にふくまれているが、私はそれをいっそうはっきりと定式化しようと思う。私の意見では、ルネサンス・ヒューマニズムの勃興に寄与した中世の伝統は、基本的に三つある。すなわち、中世イタリアのアルス・ディクタミニス(ars dictaminis)、中世フランスの学校において育成されたような、文法、詩、および古典ローマ作家たちの研究、またビザンティン帝国において追求されたような、古典ギリシャの言語、文学、および哲学の研究である。(「ルネサンス・ヒューマニズムの中世的先例」、pp.238-9)