スウェーデンでは、女性の労働力率が、男性と大差ないほど高く、また世界の先進国では最も高いといってよい。女性の15歳以上の人口の82.6%が労働力化しており、男性の87.0%と4.4ポイントしか差がない(1990年)。一方、日本の男性の労働力率は、1992年の15歳以上の人口の77.6%で、女性のそれは50.7%。男女の労働力率には約27ポイントもの格差がある。
 スウェーデンでは、こういう労働進出をしながら、婚姻率も89年で人口1000人につき5.2と日本の5.8と大差ないほど高い。また合計特殊出生率も、スウェーデンは1978年に1.60まで低下したが、1989年には2.0に上昇している。これは、子供を育てる家庭への経済的支援が、世界的にも先端的状況にあることによる。
 1992年版『国民生活白書』‥‥にも明記されているように、スウェーデンでは育児休暇期間が男女合わせて450日間あり、そのうち360日間は勤労所得の90%、残る90日間については一定額‥‥が至急され、二人目以降の子供については一人につき180日分ずつ追加される。
 また16歳未満の子供を養育しているすべての家庭に年収にかかわりなく支給される児童手当は、子供一人年間9000クローネ(約22万)、‥‥また、高校、大学も国・公立であれば、授業料はいらない。(pp.175-6)