2004-09-14 ■ memo ジャン=フランソワ・リオタール<『ハイデガーと「ユダヤ人」』、藤原書店、本間邦雄訳、1992年(原著1988年)[bk1] わかりづらい本だったけれど、目次はほとんど「一行解説」というか、そうしたわかりづらさを忘れさせ、リオタールの主張(だけ)を想起させてくれるものになっている。ハイデガーを読みたくなる。 日本語版への序文――もともと地上には道はない 第Ⅰ部 「ユダヤ人」 1.忘却そのものが忘れられる 2.記憶は忘れる 3.史料批判の二つの効果 4.過ぎ去ることのなかった、過ぎ去らないでいる過去 5.無意識的情動の時間的パラドックス 6.記憶されえぬ性的差異――フロイト 7.記憶されえぬ〈法〉――「ユダヤ人」 8.「アウシュビッツ」を喚起すること、それはその忘却である 9.記憶されえぬ崇高――カント 10.忘却とたたかうエクリチュール 11.革命=回帰なきエクリチュール 12.あらゆる全体化に抵抗するもの 13.「アウシュビッツ」以後にはどのような美学がありうるか 14.アドルノ 第Ⅱ部 ハイデガー 15.ハイデガーの一件書類――ナチズム――の予審のための諸規則 16.ファリアスの一件書類 17.ハイデガーにおけるアナムネーシス 18.ハイデガー的なアナムネーシスに欠けているもの 19.『存在と時間』における政治とは 20.『存在と時間』と闘争的な言説 21.美学的「加工」としての政治――ラクー-ラバルト 22.どのような神を人は待ち望むのか 23.舞台で上演される殲滅か、それとも舞台の埒外での殲滅か 24.存在が〈法〉を忘却させる 25.民について 訳者解説