2004-10-11 ■ memo リチャード・タック『トマス・ホッブズ』、田中浩・重森臣広訳、未来社、1995年(原著1989年)[bk1] これも古本で買っておいて読んでなかったもの。ワトキンスの本(参照)に対する説得的な批判や評価、ホッブズ研究史の便利な解説、また、随所にあらわれるグロティウスへの言及、などが印象的。もともとは、(1)ヴィーコとホッブズ、(2)中世政治/法思想とホッブズ、というようなことが知りたかったのだけれど、そういった話はほとんどでてこない。ホッブズの政治/法思想は主にグロティウスに関係づけられているし、ヴィーコに至っては名前さえでてこない。 目次: はじめに 第一部 ホッブズの生涯 人文主義者として 哲学者として 異端の徒として 第二部 ホッブズの著作 科学理論 倫理学 政治学 宗教論 第三部 ホッブズ解釈の系譜 近代自然法の理論家としてのホッブズ 近代の魔神としてのホッブズ 社会科学者としてのホッブズ モラリストとしてのホッブズ こんにちのホッブズ研究 むすび 訳注 文献案内 訳者あとがき 索引