• 潮木守一『世界の大学危機:新しい大学像を求めて』、中公新書(1764)、2004年
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 イギリスには各専門分野ごとに研究審議会(Research Council 現在六機関)が設けられていて、大学教員は必要に応じて、研究費の申請を、この研究審議会に提出する。これは日本の科学研究費補助金科研費)の制度と同じで、そこでの審査を経て、研究計画がパスすれば、研究費が交付される。‥‥
 二〇〇一/〇二年度の実績を見ると、資金配分機構を通じて配分される研究費は一一億ポンド、これに対して研究審議会を通じて配分される研究費は八億ポンドである。イギリスの高等教育機関に投入される研究費は、このほかに民間助成財団(六.一億ポンド)、中央・地方の医療病院機構からの研究費(四.一億ポンド)、民間企業(二.五億ポンド)、その他の資金(三.六億本ポンド)となっており、研究費総額(三六億ポンド)のうち、六割は大学資金配分機構、研究審議会、医療病院機構を通じて配分される公的資金である。これに対して民間企業からの資金は、全体の七パーセントにすぎない。‥‥(pp.48-9)