このように教育活動、研究活動がどれだけ優れているかによって傾斜配分が行われているが、これとは別に、各大学が一定の指標について、どれだけ実績を上げているかが、毎年測定され、その結果が公表されている。その指標とはたとえば、「その大学は、これまで大学進学率の低かった社会層の学生を、どの程度入学させるようになっているのか」、「これまで大学進学率が低かった地域からどれだけ新入生を受け入れているか」、「障害者の入学率はどうか」などの規準である。先にも述べたように、高等教育資金配分機構のミッションの一つとして、「いかなる背景を持った者でも、高等教育を受け入れられるようにする資金配分」が含まれている。そのミッションが、現実にどの程度達成されているのか、さまざまな指標(実績指標 Performance Indicators という)を使ったモニタリングが行われている。(pp.49-50)