(1)自立への希望と力

『若者の自立が難しくなっている状況を変えていく。』

 若者が、自己実現や社会への参画を目指しながら、自己の選択として、職業や結婚、出産、子育てを自らの人生において積極的に位置付けていくことは、自立した社会人となる上で非常に大切なことである。
 しかし、近年それを阻む要因として、若年失業者やいわゆるフリーターの増大など、若者が社会的に自立することが難しい社会経済状況がある。学校を卒業あるいは中退した後、就職も進学もせずその意欲もない状況に陥る多数の若者の存在が懸念されており、親元に同居し基礎的生活コストを親に支援してもらっている未婚者も増加していることが指摘されている。引きこもりや不登校など子どもたちを取り巻く状況は近年ますます厳しさを増している。
 早い頃からの職業意識の醸成のための教育や、教育と雇用との間で連携の取れたキャリア形成を支援することなどにより、若年失業の流れを転換してゆくことが求められている。
 また、子どもが自立した若者へと成長していくためには、自然や人と直接ふれあうことによって、心豊かにたくましく育ち、生活や社会、自然とのかかわりを学び、生きる力を発揮できるようにしていくことが重要である。