• 成瀬治・山田欣吾・木村靖二編『世界歴史体系 ドイツ史2:1648年〜1890年』、山川出版社、1996年
  • 読了。五章、六章、七章。
  • 「解放化」:

 まず「解放化」の結果のひとつに急激な人口増加があげられる。ドイツ諸邦の人口は十八世紀なかばから世紀転換期までにほぼ五〇パーセント増加したが、世紀初頭の改革以降はこれに拍車がかかり、とくにプロイセンでは一八一六年の一〇三五万から四八年には一六一七万(五五パーセント増)へ、六六年には一九五〇万へと九〇パーセントの増加を示した。この爆発的な人口増加の第一の要因は、世襲隷農制の廃止により、農村で領主による結婚許可権が廃止され住民の婚姻件数がふえたことや、「移住の自由」と「営業の自由」により就労の機会が拡大し、世帯をもつものが増加したためである。
 だが特徴的な事実は、この人口増加が都市への人口集中をともなわなかったことである。‥‥(p.234)