• 野村達朗『大陸国アメリカの展開』、世界史リブレット32、山川出版社、1996年[bk1]
  • 読了。知っていることも多かったので、あまり勉強にはならなかった。

 一八三一年アメリカを視察したフランスの自由主義的政治家、アレクシス・ド・トクヴィルは名著『アメリカの民主主義』のなかで書いた。「アメリカ合衆国に滞在中、新奇なことは多々あったが、諸階層の平等ほど私の注目を引いたものはない」。‥‥
 彼がみたのが、アンドルー・ジャクソン大統領の時代の民主的気運であった。それまでの大統領が東部社会の名門の出身だったのに、ジャクソンは「丸太小屋からホワイトハウスへ」という夢を体現した最初の大統領であった。彼は家柄も教養もない「独立独行」の人として育ち、一八一五年一月のニューオーリンズの先頭でイギリス軍にたいして大勝利をおさめ、またインディアン征服戦争で名声をえて国民的英雄となった西部人であった。(p.9-10)