• 石田雄『丸山眞男との対話』、みすず書房、2005年
  • 読了。穏当な論集。「古層」論文の丸山に対する批判も含めて(pp.171-5)、違和感を覚える議論はほとんどない。丸山の書いたものを読んでいればわかることも多いが、『正統と異端』未完の経緯やその意味について(pp.84-93)、丸山における「市民社会」という用語(の不在)について(pp.154-9)などはおもしろく読めた。ほかに以下など:

 丸山が「科学としての政治学」を提唱した翌年日本政治学会が設立され、さらにその翌年すなわち一九四九年に第一回の研究会が催されたとき集まったのはわずか八十人ほどであった。その日本政治学会も、今日では会員数が千名をはるかに超えるまでになった。‥‥(「丸山眞男と日本の政治学」)[p.128]