• アウグスティヌス「魂の不滅」
  • 読了。カシキアクムからミラノに戻ったさいに、ミラノで書かれたとされるもの。むかし読んだときタイトルにとまどったが、よくよく考えれば『パイドン』の副題だっておんなじようなものである。そう考えるとそれほどでもないなと思いつつ読んだ。
  • 『再考録』では以下のように説明されている。

「荘園からミラノに帰って間もなく、わたしは『ソリロキア』(独白)の後で、魂の不滅に関する書物を書いた。わたしはそれが未完のまま残した『ソリロキア』を完成させるための、いわば、わたしへの覚え書きであることを欲した。しかし、どういうわけだが知らないが、わたしの意志に反して人々の手にわたることとなり、わたしの小品のなかに掲げられている。第一にそれは、その推論のゆがみと簡単さゆえに、わたしが〔今それを〕読むとき〔読もうとする〕わたしの意図さえをも憔悴させてしまい、わたし自身によってさえほとんど理解さえないほど不明瞭である」(1・5・1)(本書, p.51)。