とりあえず
 ダン・ザハヴィ[1997→2003]『フッサール現象学晃洋書房
の簡素な文章に涙。わかりやすく的確な解説だけど、なにか「もうひと声」ほしいと思わせるのはわたしの理解力のせいかしら。


とりあえずメモ。志向的経験の二つの区別(p.222 );

「あらゆる志向的経験は、対象化する作用であるか自らを基づけるような作用をもつかのどちらかである」(Hua 19/514)。
対象化する作用
対象自体への関係を含んでいるもの。たとえば知覚あるいは判断。
対象化しない作用
対象に関係するけれどもただ基づけられた仕方においてそうするにすぎない美学的評価や愛や憎しみの感情のような志向的作用。

「喜びはそれ自体具体的な作用ではないし、判断はそれに並ぶ作用ではなく、喜びにとって基づける作用であり、喜びの内容を規定し、喜びの抽象的可能性を実在化する。というのは、そうした基づけなしには喜びはおよそありえないからである」(Hua 19/418)

とのこと。