• 厚生労働省職業能力開発局[2002]『キャリア形成を支援する労働市場政策研究会報告書』
  • 2 労働者・個人のキャリアのあり方
    • (2)世代別のキャリアのあり方(現状と問題点)
      • イ 若年層のキャリア

 近年、若年無業者・失業者の急増、フリーターの増加、若年者の就業後早期離職の増加等の現象が生じ、若年者のキャリア形成上大きな問題となっている。‥‥このような、若年無業者、離職者等の増加に加え、失業や漫然とフリーターである期間の長期化は、若年者の能力蓄積や就業意欲向上を妨げ、本人の雇用安定上の問題を引き起こすだけでなく、将来的にも、経済社会を担うべき人材不足をもたらしかねない。

 若年者のキャリア形成上の問題のうち、無業者や離職者、特に長期間の離職者の急増は、当面の最も深刻な問題である。失業中、職業意識の涵養、カウンセリングや学校教育の学び直しを含め、個人の意識・状況に応じたキャリア準備、能力開発のあり方を考え徹底していくことが望まれる。
 また、フリーターは、様々なタイプがあるが、漫然と長期にフリーター生活を送るタイプはキャリア形成上問題である。グループカウンセリングや、情報の提供等を通じて、キャリア意識を高めるように図ることが必要である。また、フリーターの中には正規の従業員として働くことを好まない者もおり、無理に正規雇用に誘導するのではなく、多様な働き方を良好な就業機会として整えることも重要である。さらに、アルバイトとして使う側も、本人のキャリア形成という視点を持って対応することが望まれる。