• 奥地圭子『登校拒否は病気じゃない:私の体験的登校拒否論』、教育史料出版会、1989年
  • 1989年2月出版。おもしろかった。「子ども」の「心」や「身体」が着目されつつ、「学校」や「管理」、「親」や「家庭」のことが語られる。他方、ときおり「私」が強調され――「私の子」「私たち大人」など――、奥地自身が「母」であり「教師」でもあり「大人」でもあることが想い起こさせられる。ここでも、「登校拒否は病気じゃない」ということによって、単に子どもの状態だとか治療すべきか否かだとかいったことだけが語られているだけではないのは明らかに思える。

ほんとうに、登校拒否は病気なのでしょうか。さきほど述べた私の二十年間の、四つの立場から学びとった結論は、“否”です。(p.6)