• 廳茂「〈ジンメルウェーバー〉問題:問題は成立するのか?」(上) in : 『近代』第91号、神戸大学近代発行会、神戸大学、2006年、pp.1-41
  • G.ジンメル社会学の根本問題:個人と社会』、阿閉吉男訳、現代教養文庫1349、社会思想社、1966年
    • Georg Simmel, Grundfragen der Soziologie : Individuum und Gesellschaft, 1917. 底本は原著二版(1920).
    • ――, “Das Problem der Soziologie”, in : Jahrbuch für Gesetzgebung, Verwaltung und Volkswirtschaft im Deutschen Reich, 18, 1894, S. 1301−1307.
  • 読了。廳論文はいままでの氏の論文よりもやや冗長に思えたが、いつもながら勉強になった。「モデルネ」について(も)論じていて、ここで参照されているのは『哲学的文化』。ジンメルのものは「社会学の問題」論文が読みたかったので手にとった。デュルケムから批判されたようなので、調べたいところ:

 その論文[社会学の問題――引用者]が発表された年にただちに仏訳が出ましたし、翌年にはアメリカでも翻訳されました。そして、その論文のなかに示されたジンメルの見解にたいしては、賛否相半ばしました。すでにコント社会学に痛烈な批判を加えていたディルタイは、これに賛意を示しました。他方、社会形態学と社会生理学と一般社会学から成る自己の体系を積極的に主張するフランスの社会学者エミール・デュルケムは、反論(1900年発表)を出しました。いずれにしても、ジンメルのこの論文が当時の欧米社会学界に異常な反響を呼んだことがわかるでしょう。わが国でもすでに克明な翻訳(ジンメル『社会分化論』五十嵐信訳、1927年、岩波書店、所収)があります‥‥[p.177]