• H・チャドウィック『アウグスティヌス』、金子晴勇訳、コンパクト評伝シリーズ3、教文館、1993年
  • 読了。アウグスティヌスの思想の多様な側面を簡潔かつ的確に指摘した好著。2004年に再刊されている。その優れた内容については定評があるので繰り返さない。ここでは敢えて苦言をいくつか。
  • まず、訳文が直訳に近い表現のため、若干飲み込みにくい箇所がなくはなかった。VSIで新版が出ているようなので、そちらで読むのもいいかもしれない。また、やはりその充実した内容のため――富松保文氏(『アウグスティヌス』)がいうように――、はじめてアウグスティヌスに接するひとにはかえってむずかしいかもしれない。中級者(?)向けといった感じだろうか。