読了

 佐藤幹夫[2003]『ハンディキャップ論』、洋泉社新書y

 ‥‥やがてここにもうひとつの事情が加わる。それは、少なくない子どもたちが、十代の前半、あるいは半ばにしてその短い生涯を終えていくという事実を知らされることである(わたしがこれまで受け持ったのはせいぜい十いくつのクラスなのだが、それでも十人に近い子どもたちがすでに他界している)。
 このふたつの事実を正面にすえたとき、好き嫌いをしないで食べなさいとか、こっちが前だから後ろをまちがえないようにとか、手をたくさん使いましょうとか、‥‥そうした日々の「教育」なるものに、いったいどれほどの意義があるというのだろうか。(p.139)

  • あと、この本が――著者の自己理解に反して――養護教員の「声」の一ケース、障害児者のきょうだいの「声」の一ケースとして読めることは記しておこう。(とゆうか、そう読まなければ中身のない本としかいえない。)