大島巌ほか編著[2001]『精神障害者ホームヘルプサービス:そのニーズと展望』、中央法規

  • 偏見(とその啓発)の一事例:

精神障害者は〕「好きなことしかやろうとしない」という批判は、本来能力があるのに「やらない」という生き方を選択しているという考え方に基づいているが、実態は、障害のために他の行動選択の余地が狭められているとみるべきところである。障害者が自己の安全や安心を優先した生き方を求めるのは、症状悪化を回避するための合目的な選択である。周囲の者がいかに「あるべき」生き方をアドバイスしても、直ちにそのような生き方ができる可能性は低く、むしろ対人ストレスが強まり、再発の危険を高めることになろう。(白石弘巳)(p.71)