門田光司・柳沢亨・平澤紀子[2003]『知的障害・自閉症の方へのケアマネジメント入門』、中央法規

  • 挑戦すべき行動(challenging behavior):

 ‥‥近年、自閉症を含む発達障害のある方のさまざまな行動問題に対して、「挑戦すべき行動(challenging behavior)」という用語が用いられることが多い。これは、「いわゆる行動問題における問題の所在は、その行動を起こしている人にあるのではなく、周囲とのかかわりのなかにある。したがって、その問題解決に向けては、その人だけでなく、周囲の人が共に挑戦すべきである」ことを強調するものである。このような行動問題の考え方は、「対人関係の障害」を中核にもつ自閉症の方々に対して極めて重要である。まさに、「挑戦すべき行動」は、自閉症の方々が地域生活において出会うさまざまな困難を、彼らにかかわる周囲の人が共に解決し、克服するというケアマネジメントの方向を示すのである。(平澤紀子)(p.88)