杉田氏編の『エフェメーレ』2号所収の

 森達也インタビュー、ありふれた世界のために
 杉田俊介、『A』と村上春樹のノンフィクション
 渡邊太、脱洗脳論(1)――関係の拘束としての洗脳――
 栗田隆子、1980年代学校的世界
 谷島貫太、ベンヤミンと真空

などなどを頭を抱えつつ読了。困った。これは総じていえば杉田氏のフリーター論を読んだときと似た印象だけれども、それをことばにするのはなかなか難しい。たとえばそれはわたしがオウムや村上春樹に関心がもてなかったり、ソシオン理論(渡邊)が疑似科学のように読めてしまったり、固有名詞にかかわる議論(谷島)が最後まで理解不能だったり、先行研究を踏まえていそうなのに文献指示がない(随所で)といった経験には尽きないと思う。とはいえ、それらがもし逆であれば*1、もう少したのしめたかもしれない。その限りでは、今後に期待ということになるだろうか。

そういえば、これらを昨日(某ファストフード店で)うなりつつ読んでいるときに、たまたま職場のエライ人であるTさんに声をかけられたことがあった。そのときのわたしはさぞこわい顔をしていただろうと思う。もうしわけない。

*1:つまり、わたしがオウムや村上に関心を持ててい、ソシオン理論がもっと科学的に読め、固有名詞にかかわる議論がもっと明晰で、文献指示がもっと豊富であれば。