• 佐藤進一・網野善彦笠松宏至『日本中世史を見直す』、平凡社ライブラリー平凡社、1999年(原著1994年)
  • 1992年におこなった三人の鼎談の記録「日本中世史を見直す:鎌倉期から南北朝期へ」、笠松氏・網野氏が執筆した概説「後醍醐と尊氏:建武の新政から南北朝の動乱へ」(週刊朝日百科『日本の歴史』第五巻中世2、収録に加筆したもの)、さらに網野氏による「転換期としての鎌倉末・南北朝」を収める。ほかに参考史料として、佐藤氏による読み下し・注解による「平政連諫草」「誡太子書」「吉田定房奏状」および笠松氏による「北畠顕家奏状」を付す。
  • 参考史料以外を読了。鼎談では、前半はとくに佐藤『日本の中世国家』がとりあげられそれをめぐって議論が交わされている。全体をとおして、網野・笠松両氏がメインで佐藤氏はときおり確認をする程度なのだが、『日本の中世国家』を読んでから読んだほうがよかったかもしれない。笠松氏の発言がするどくなかなかおもしろかった。